40歳代 女性

不妊症の治療で来局されているご婦人である。
不妊症の要因である卵管狭窄と、高プロラクチン血症の改善は、順調に進んでいた。

しかし、彼女は“激しい肩こり”“首筋の痛み”を訴えていた。
頸椎を確認すると、第5頸椎周辺に異常が認められた。
過去に、追突事故や頸椎損傷を誘発するような経緯を尋ねたが、“思い当たらない”とのこと・・・。

当薬局は、頸椎損傷(特に第5頸椎)が、眩暈(頸性眩暈)などの自律神経系症状の誘因となっている症例を多く確認している。
特に不妊治療に際しては、頸椎異常が及ぼす女性ホルモンへの悪影響が懸念される。
このまま、頸椎異常の放置はできないのである・・・。

頸椎異常への治療の必要性を説明し、御婦人の了解を得て、適合処方を糸練功にて解析した。
(糸練功の技術的な要項は、「糸練功に関する学会報告」を参照されたい)

適合処方は、以下のとおり。

A証)桂枝湯+越婢湯 (陽証)

陽証の症状は、かなり激しい。
肩こり、首筋の痛みを、患者さん御自身は激痛に近い感覚で感じられていると思われる。
しかし、幸いなことに陰証(慢性化)の異常を伴っていない・・・そのことは、発症から何年も経過していないことを意味する。
治し易い状態なのである。

処方を追加し、その日から服用を開始していただく。

・・・1ヵ月後

“激しい肩こり”は、著しく軽減。
“首筋の痛み”は消失し、“軽い首こり”程度に改善している。

これを機に、基礎体温は益々安定化している。

今後の朗報が楽しみである。