微熱(37~38℃)の続いている患者さんが、検査をしても原因が特定できないケースは少なくありません。

80歳代、女性の患者さんです。

午前中は平熱。
しかし、夕方になると熱っぽくなり(微熱)、だるくなる(倦怠感)、食欲減退・・・そんな症状が1ヶ月以上続いていました。

病院で処方された抗生物質、解熱鎮痛剤を服用すると一時的に平熱に戻ります・・・しかし、“午後の微熱”は繰り返します。
検査結果は、“異常なし”・・・。
心配されたご家族に付き添われ、ご婦人は来局されました。

既往症として、慢性骨髄性白血病。
その症状は、グリベックにより安定しています。

午後の微熱軽度な咳倦怠感食欲減退・・・問診から得られた情報をもとに、糸練功にて患者さんの反応穴を確認、適合処方を解析しました。
(糸練功の技術的な要項は、専門家向けですが「糸練功に関する学会報告」をどうぞ)

解析結果は以下のとおりです。

風毒塊(ウイルス)の反応
A証) 竹茹温胆湯

この解析結果は、
患者さんの身体に、ウイルスによる「こじれた風邪」が発症している。
そのウイルスの反応は、【竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)】という漢方処方が適応していることを示しています。
つまり、「竹茹温胆湯の服用で治癒できる微熱である」ことを意味しています。

竹茹温胆湯は、柴胡(さいこ)という生薬を構成成分に含む「柴胡剤」です。
また、【朝は平熱、夕方に発熱】という病態は、古くから往来寒熱(おうらいかんねつ)という、柴胡剤が適応する特徴でもあります。

患者さんが、竹茹温胆湯サンプルに触れた時のウイルス反応の消失。
往来寒熱という柴胡剤の適応。
間違いありません・・・紛れも無く、竹茹温胆湯の適応です。
早速、漢方治療の開始です。

・・・2日後
夕方の微熱 : 減少 (改善中)
咳 : 消失 (改善中)
倦怠感 : 消失 (改善中)
食欲減退 : 消失 (改善中)

・・・10日後
夕方の微熱 : 消失
咳 : 消失
倦怠感 : 消失
食欲減退 : 消失

微熱をはじめ全ての症状は、10日後に消失しています。
ですが、こじれた風邪である竹茹温胆湯の適応は、徹底的に治療しなければなりません。
現在も、漢方治療は継続中です。