原因不明?・・・腰痛、めまい、身体痛

平成22年3月のある日、若い女性が血相を変えて駆け込んだ。

「友だちが、めまいで苦しんで・・・体中が痛いって!・・・薬をください!」

その慌て様に、私の目は点になっていた。

「病院で原因が解らないと言われて・・・一応、点滴してもらったけど・・・」

私の記憶にはなかったが、彼女は以前 急性病で当薬局へ来たらしい。
その薬が著効したので、駆け込み寺の如く友人を連れてきた。

当薬局のシステムは、昔のままではない・・・予約制である。
事前に症状を整理し、万全な準備をして迎えるためである。

時計を見ると、次の予約時刻まで 多少の空きはあった。

患者さんは韓国籍の女性で、全く日本語を話せない。
通訳役の友人を介して、断片的な情報が伝えられた。
「病院でも原因不明・・・めまい・・・体中の痛み・・・吐き気・・・高熱・・・」

症状を聞く限りでは、薬局業務の範疇を越えているとさえ思われた。
本来なら、違う病院への受診を勧めるケースである。

受けるべきか否か・・・考える私を彼女らは懇願する様に見つめていた。

「一番つらい症状は?」と問うと、

「腰の痛みが、とても辛い」・・・らしい

愁訴部(腰)を、糸練功(しれんこう)で確認、解析することにした。

その解析結果は・・・

-0.2合 經絡病 膀胱 陽証 桂枝二麻黄一湯(けいしにまおういちとう)証

「え??」

念のため、風毒塊(ふうどくかい:ウイルス反応を示すのツボ)を確認すると・・・。

腰痛部位とピッタリ一致している。

「こ、これは・・・風邪じゃん!」

桂枝二麻黄一湯・・・桂枝湯(けいしとう)と、麻黄湯(まおうとう)を合わせた漢方薬である。
風邪の初期症状に汎用される処方である。

これは感冒が原因の腰痛を意味する。
全身の痛みも、めまいも、その適応だった。

早速、漢方薬を調剤、帰宅後に熱いお湯で服用するよう伝える。

帰り際、友人を通して患者さんの問いかけがあった。
「岩盤浴してもいいですか?」

私の答えは、「すぐ行く所は、暖かい布団の中だよ」である。

後日、患者さんの友人から連絡があった。
全快のお礼だった。

実践漢方から

冷静に思い返せば、

身体痛(体中の痛み)、高熱 → 風邪 と、容易に見当はつきます。

めまいは2次的な症状でしょう。

すっかり、通訳さんの「病院でも原因がわからない」という第一声に惑わされました。

まさしく、糸練功(しれんこう)のおかげで対応できた患者さんです。

当薬局は、適合処方の解析に糸練功という気功技術を応用しています。
○その症状は、どの臓腑(ぞうふ)・經絡(けいらく)の異常が原因なのか?
○異常のある臓腑・經絡を正常化する漢方薬は何か?

それらを解析し、適合処方を識別する技術が糸練功です。

ですので当薬局の漢方相談は、
1.患者さんから症状・経緯を細かく伺い、漢方的に病態を探り (問診)
2.最終確認のために、糸練功を使う (確認)

そういう手順で行います。

市販の薬と、漢方薬は選び方が全く違います。

どうぞ、御来局の際は、必ず電話による事前予約をお忘れなく。