不妊症と漢方薬

  • “不妊症の改善症例”など、お問い合わせの多い不妊治療についてポイントをまとめました。

不妊症治療は、当帰芍薬散のみならず

akacyan_01_120px不妊治療へ多用される保険適用の漢方薬は、「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」であろう。
当帰芍薬散は、 トウキ、センキュウ、シャクヤク、ブクリョウ、ビャクジュツ、タクシャ の 6種類の生薬で構成される漢方処方である。

古来の当帰芍薬散は、上記6種類の生薬の粉末を一定の割合で混合したものである。
一方、日常的に処方される製剤は、混合生薬をエキス抽出した「エキス剤」である。
従って、我々は語尾に「料」を付けた「当帰芍薬散料」と称し、区別している。・・・・・・

不妊症と卵胞刺激ホルモン(FSH)と漢方治療

ninpusan005FSH値は、卵巣の反応性を反映しており、加齢と共に上昇する。
ゆえに更年期、早発閉経の際にもFSHは高値を示す。
また、妊娠適齢期で不妊治療を受けている方の中にも高FSHを認めることがある。

その場合、現代医学ではカウフマン療法(エストロゲン製剤・プロゲステロン製剤)等が適用される。

その一方、漢方治療の領域でも高FSH値を改善し、妊娠に至る症例は多い。
本掲載は、その治療経過と考察である。

冷え症と月経痛を伴う不妊症

ninpusan00830歳代のご婦人である。
不妊外来にて、一連の不妊治療を継続されていた。
タイミング法、人工授精、体外受精、そして漢方治療・・・。
御来局当初、採卵後の卵巣の腫れが治まらず、体外受精は中断されていた。
右下腹部(卵巣部)の痛みも続いていた。

彼女はまじめに通院された。

難治性の二人目不妊

ninpusan004二人目不妊に限らず、一人ひとりの病態に適合する処方提供が、我々の役割である。
適合していない漢方薬を、いくら長期に渡って服用しても無意味である。
それ故、我々は患者さんと漢方薬の適合性の識別に、心血を注ぐこととなる。

漢方処方の選定方法は、医療機関によって共通性はあるが、必ずしも同一ではない。

卵管狭窄と冷え症を伴う不妊症

ninpusan007彼女は、2年間に渡り タイミング療法をはじめ、排卵誘発剤(内服&注射)等の療法を経験されていた。
通常、これらの療法によって妊娠の可能性は、非常に高くなる。
なのに、子宝を授かれなかった。

とりわけ、注射による排卵誘発剤(hMG製剤・hCG製剤)は、強い痛みを伴い、頻繁に通院しなければならない・・・。
注射の激痛に耐え、地道に治療を続けたが成果に恵まれず・・・

二人目不妊症(下腹部痛と冷え症)

ninpusan0036年前に第一子を出産。
その後、望んでおられるも、第二子を授かれなかった・・・。

排卵誘発剤、黄体補充療法を施されたが、妊娠には至らず。
彼女はご自身を責め、焦っているように伺えた。

基礎体温表を拝見すると高温期は短く、足の冷えを強く自覚されていた。
また、頻繁に下腹部が痛くなり、不正出血を幾度も経験されている。

二人目不妊のケースでは、高プロラクチン血症の関連も多い。
しかし、婦人科での血液検査によると「ホルモン値に異常なし」とのことである。

子宮筋腫・月経痛を伴う不妊症

ninpusan006婦人科の検査によると、大きさ 3cm弱 の子宮筋腫が1個あると指摘されたが、「緊急性はない」と言われ、経過観察中とのこと。

御婦人は、やっとの思いで授かったお子さんを流産された御経験がある。
「子供は欲しいけど、また流産したら・・・」
葛藤と心労の中で、「円滑な妊娠・出産ができるように」切に望まれていた。

重度の冷え症を伴う不妊

ninpusan0165年前、可愛い女児を授かった30歳代の御婦人である。
第一子出産後、妊娠の機会に恵まれなかった。
彼女の漢方治療の主目的は冷え症の改善であった。

幼小時代から重度の冷え症で、冬には必ず上肢・下肢にしもやけが生ずる。
治療をしても一向に治らず、諦めてしまった経緯がある。

とかく最近は、着膨れするほど服を着ても、「背中が凍えるほど寒い」とお困りだった。

二人目不妊と授乳について

ninpusan009「授乳をしながら、漢方薬で不妊治療をしたい・・・」
というご依頼を、しばしば受けることがあります。

当薬局の回答は、「断乳(或いは卒乳)してからにしましょう」です。
たしかに、授乳中に 二人目を妊娠する人もいます。

しかしながら、授乳中は「プロラクチン(ホルモン)」が分泌されています。
その状態は、非常に妊娠しにくい状態です。
二人目不妊の、大きな誘因でもあります。

不妊治療と基礎体温表

ninpusan011必ず、基礎体温表をお持ちください。
そして、基礎体温は、欠かさずお測りください。

現代医学に限らず、基礎体温表は漢方治療においても重要な情報源です。

低体温の方、低温期が安定しない方、二人目のお子さんができない方・・・
不妊のタイプも様々ですが、基礎体温は忠実に体の状態を映し出しています。

不妊症を乗り越えて|喜びの声

ninpusan0122年間、不妊で悩んでいました。
が、思いきって佐久間薬局で相談させていただいたところ
漢方を飲み始めて2ヶ月目で妊娠することができました。

妊娠中もいろいろと相談することが出来て・・・
・・・お陰様で元気な赤ちゃんを出産することが出来ました。