80歳代 女性

緑内障白内障は、どちらも眼の疾患ですが、異なる病気です。

ですが、どちらも高齢者に多い傾向があります。
また、緑内障と白内障を併発することもあります。
ここでは、白内障を伴った緑内障の患者さんの治療経過を紹介します。

患者さんは、加齢による白内障が進行したため、白内障手術を受ける予定でした。
そして眼科にて、術前の検査をうけたところ、“眼圧が高い”と指摘され、白内障手術は中止となりました。
両眼の緑内障が見つかったのです。
眼圧は、21mmHg(両眼)・・・正常眼圧緑内障です。

点眼薬による治療を受けていますが、漢方治療を希望されました。

既往症として、頸椎変形による頸部痛があり、骨粗鬆症治療薬と鎮痛剤が処方されています。
治療者の心情としては、骨粗鬆症による首痛も、同時に治したいのですが、まずは緑内障と白内障の治療を優先しました。

当薬局は、糸練功(しれんこう)という技術を用いて病態を分析し、適合処方を解析しています。
患者さんの異常を漢方的に分類し、異常を消失させる(治す)漢方薬を探索する手法です。
(糸練功の技術的な要項は、専門家向けですが「糸練功に関する学会報告」をどうぞ)

患者さんの両眼の解析結果は、以下のとおりです。

A証) 釣藤散加減方証 (陽証)
B証) 八味丸加減方証 (陰証)

早速、漢方治療を開始しました。

・・・1ヵ月後
“眼圧”: 18mmHg(両眼)
眼科にて眼圧検査してもらったところ、21mmHg → 18mmHg に下がり、とても喜ばれていました。

引き続き、漢方治療を継続中です。