6年来のじんましん(蕁麻疹)

40歳代、女性。

平成19年2月 初来局。

平成13年頃より、蕁麻疹(じんましん)を発症する。
蚊に刺されたような浮腫性紅斑(膨疹)が全身にあらわれ、痒みが非常に激しい。

皮膚科にて 抗ヒスタミン薬(H1拮抗薬)が処方されるが、痒みは治まらない。

その後、別の病院にて検査をしてもらうが「異常なし」と診断され、患者さんは途方にくれる。

そして発症から6年後、知人の紹介から当薬局へ漢方治療を依頼される。

問診の後に、痒みを訴える部位、及び皮膚病の反応穴(はんのうけつ)を 糸練功(しれんこう)にて解析する。

(糸練功の詳細は、著者の論文「糸練功に関する学会報告」を参照されたい)


糸練功の指標(合数)
合数の数値は、-1.0~10.0 の範囲で表わされ、
病態の要因である“異常ポイント”を意味します。
※症状が重いほど合数は低く改善と共に上昇します


治療経過

0ヵ月後
愁訴部(患部)、皮膚病の反応穴

0合臓腑病陽証大柴胡湯
3.2合臓腑病陽証香蘇散

症状
じんましん:蕁麻疹の痒み(激しい)、浮腫(強い)

全身の浮腫性紅斑は激しく、痒みは非常に強い


1ヵ月後
愁訴部(患部)、皮膚病の反応穴

3.0合臓腑病陽証大柴胡湯
5.5合臓腑病陽証香蘇散

症状
じんましん:蕁麻疹の痒み(軽度)、浮腫(軽度)

浮腫性紅斑・痒みは、ともに著しく軽減

14ヶ月後、漢方治療を終了する


結語

病院における じんましん(蕁麻疹)の対応法は、抗ヒスタミン剤(内服・注射)が汎用されます。
抗ヒスタミン剤は、体内にある蕁麻疹の原因物質「ヒスタミン」に拮抗することで効果を示します。

しかし、抗ヒスタミン剤が効かない じんましん(蕁麻疹)や、原因がはっきり判らない じんましん(蕁麻疹)も珍しくありません。

漢方では、 じんましん(蕁麻疹)の原因物質を過剰分泌する体質に着眼します。
故に、原因不明であっても、何年も続く頑固な じんましん(蕁麻疹)であっても、対処は可能です。

患者さんを漢方的に分析すれば良いのです。(証の解析)

ただし、漢方薬は患者さんに適合して 始めて効果を現します。
適合しない漢方は効きません。
効かせる絶対条件は、適合性を見極めた漢方薬であることです。

如何にして適合性を見極めるか・・・
その方法として、当薬局は 糸練功(しれんこう)という技術を採用しています。
(糸練功に関しては、著者の論文「糸練功に関する学会報告」をどうぞ)

じんましん(蕁麻疹)の場合、患部や側頭部にある反応穴(はんのうけつ)には、必ず磁場の乱れ(情報)が生じています。
その情報を漢方的に分析し、適合処方を追跡する技術が糸練功です。
(約60分の時間を要しますので、予約制です)

そして、
1.大柴胡湯(だいさいことう)証
2.香蘇散(こうそさん)証
の、2つの適応を確認することができました。

・・・証(しょう)とは、
・・・の漢方薬が適応する治療ポイントを示します。
・・・の漢方薬で治せるお病気のことです。

つまり、「大柴胡湯と、香蘇散で治る慢性蕁麻疹」であることを確認したわけです。

適合処方が解れば、後はまじめに漢方薬を服用するだけです・・・。
自然治癒力がめざめ、患者さん御自身の細胞が自己修復を始めます。

患者さんの蕁麻疹(痒み)が次第に軽減・消失したことは、選択した漢方薬が、病態にピッタリ適合している証です。

「患者さんと漢方薬の適合性を見抜いた、正確な漢方治療」
そのために、糸練功は活用されています。

糸練功の理論を構築し、御教授いただいた木下順一朗先生へ感謝の念に堪えません。


必要となった漢方薬の料金

漢方薬漢方薬の種類料金(30日分)
大柴胡湯散剤12,000円
(税別)
香蘇散散剤9,000円
(税別)

※ 適合する漢方処方は、個々の患者様により異なります