先日、患者さんから嬉々とした声で、連絡がありました。
黄斑前膜(網膜前黄斑線維症)の漢方治療をされている御婦人です。
かかりつけの眼科医院で検査を受けて、その結果があまりにも嬉しくて、帰路の途中で携帯電話を手にしたそうです。
嬉しそうに、眼科医が伝えたそうです。
「こんなこともあるんだね! 手術をしたように、黄斑前膜が治ってきている・・・」
当初より、糸練功にて患者さんの適合処方を解析し、服用している漢方処方は以下のとおりです。
(糸練功の技術的な要項は、専門家向けですが「糸練功に関する学会報告」をどうぞ)
A証) 連珠飲証 (陰証)
・・・・・・両眼への処方
B証) 利水製剤+鯉胆製剤証 (陽証)
・・・・・・左眼(黄斑前膜)への処方
K証) 桂枝二越婢一湯加茯苓蒼朮附子 (陰証)
・・・・・・頸椎ヘルニアへの処方
患者さんは毎日、チェックシート“アムスラーチャート”の見え方を、記録しながら漢方薬を服用しています。
漢方治療を積み重ね、症状の指標である”糸練功の合数”は改善していました。
そして、チェックシートの見え方に明確な変化が現れたのは、4ヵ月後でした。
・・・4ヵ月後
“黄斑前膜”: アムスラーチャートの“中央の丸みが軽減している”
・・・15ヵ月後
“黄斑前膜”: アムスラーチャートの“中央がほぼ正常な四角に見える”
・・・19ヵ月後
“黄斑前膜”: 眼科の検査で、“黄斑前膜が改善している”との診断
患者さんは、嬉しさのあまり、ドクターの前で口を滑らせてしまったそうです。
「私、漢方薬を飲んでいるんです」
すると、ドクターは
「僕は漢方で治せると思ってないけどね・・・」
少しムッとしたドクターの表情を見て、”しまった”と彼女は思ったそうです。
・・・まあ、それはそれでいいのです。
患者さんの黄斑前膜が、治ってくれている客観的な診断を頂けただけでも、ドクター先生に感謝です。
漢方治療というものは、患者さんの治癒力を活性化させて、効果を発揮させます。
漢方薬が、患部へダイレクトに作用するのではなく、患者さん御自身の身体で修復しているのです。
自己修復の結果が、短期間で患者さんに感じられることが多いのですが、改善の兆しを自覚するまでに時間差のある疾患もあります。
特に黄斑前膜のケースでは、”細胞が正常化されるまでには、時間がかかるなぁ”と、実感しています。
まじめに漢方治療を継続されている患者さんに脱帽です。