50歳代 女性

後縦靭帯骨化症ossification of posterior longitudinal ligament(OPLL)と診断され、漢方を継続中の患者さんです。
患者さんは、頸椎後縦靭帯骨化症に加え、頸椎椎間板ヘルニアを併発されておられました。
自覚症状は、両上肢の痺れ(しびれ)と、右手の甲の痛み、そして腰痛と足底(両下肢)の痺れです。
この場合、以下の漢方治療を選択しました。

  • OPLLへの漢方治療(本治・標治)
  • 頸椎椎間板ヘルニアへの漢方治療(本治・標治)

症状は順調に改善していました。
しかし、患者さんは頻繁に風邪にかかり、その都度、”首の違和感”と”上腕の圧迫感”を訴えたのです。
風邪の漢方処方で、症状は治まりますが、その発症頻度は不可思議でした。

糸練功によって、ウイルス反応が現れる部位(風毒塊)を確認すると・・・“麻黄加朮湯証”が解析されました。
(糸練功の技術的な要項は、専門家向けですが「糸練功に関する学会報告」をどうぞ)

“麻黄加朮湯証”とは、麻黄加朮湯(まおうかじゅつとう)という漢方処方が適応する病態を意味します。
麻黄加朮湯は、麻黄湯(まおうとう)に、蒼朮(そうじゅつ)を加えた処方です・・・構成は風邪薬に酷似しますが、関節リウマチにも応用されます。
“関節リウマチの関連症状”を伺うと、患者さんには関節リウマチの既往症がおありで、朝方には“手がこわばる”とのこと・・・。
関節リウマチは、頚椎にも発症します。

早速、麻黄加朮湯の服用を開始。

・・・1ヵ月後
風邪様症状の消失とともに、“首の違和感”、”上腕の圧迫感”も消失。

・・・2ヵ月後
“首の違和感”、”上腕の圧迫感”は、全く現れず。

両上肢の痺れ:消失
右手の甲の痛み:消失
腰痛と足底の痺れ:消失

このまま、安定化するものと思われます。