変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)。
加齢とともに増加する膝関節の炎症です。
膝関節の可動域制限、関節水腫(膝に水が溜まる)を生じる御辛い病気です。

変形性膝関節症を発症される割合は女性に多く、老化現象にともなう難治性疾患と思われがちです。
ですが、個々の患者さんに適合した漢方薬を解析できれば、改善させることは可能です。
ここでは、骨粗鬆症を伴った変形性膝関節症の改善経過を報告します。

患者さんは、70歳代の女性です。
病院で“(両)変形性膝関節症”と診断され、人口膝関節の置換手術を受けました。
手術は成功しました。

ですが、膝関節の熱感・腫れ・痛みが、なかなか取れてくれません。
歩行時の足のツッパリ、下腿内側~母指へのしびれも強く、漢方治療のため来局されました。

当薬局は、糸練功(しれんこう)という技術を用いて、患者さんの病態を漢方的に解析しています。
(糸練功の技術的な要項は、専門家向けですが「糸練功に関する学会報告」をどうぞ)
問診の後、患者さんの愁訴部(膝関節)をチェックポイントとして適合処方を探り出しました。

患者さんの適合処方は・・・

  1. 防已黄耆湯加減法(陽証)
  2. 防已黄耆湯加減法(陰証)
  3. 駆瘀血剤(陽証)

早速、漢方薬を服用開始。

そして、4ヵ月後・・・

熱感・腫れ・痛み(膝関節) : ほぼ消失
しびれ(下腿内側~母指) : 改善中

歩行時には、杖を放せなかったのですが、時々、杖を忘れるように・・・。
ですが、今は治療中です・・・できるだけ、膝へ負担をかけないようにご配慮ください。

現在も、漢方治療を継続中です。