60歳代 女性

3年前より、腰痛を発症された患者さんです。
激しい臀部の痛み、腰痛のために椅子に座ることすらできず・・・。

病院の診断では、患者さんは骨粗鬆症の指摘を受けてはいませんでした。
しかし、当薬局が糸練功を用いて解析した適合処方は・・・

A証) 防已黄耆湯合桂枝加朮附湯 (陰証)
B証) 防已黄耆湯合R青皮製剤 (陽証)

ともに、骨粗鬆症の病態に適用されることが多い漢方処方です。
(糸練功の技術的な要項は、専門家向けですが「糸練功に関する学会報告」をどうぞ)

早速、上記の2処方にて漢方治療を開始。

治療経過は以下のとおりです。

・・・1ヵ月後
腰痛 : ほぼ消失
臀部痛 : 軽減(改善中)

・・・3ヵ月後
腰痛 : 消失
臀部痛 : ほぼ消失

慢性腰痛は、順調に改善していました。
A証)、B証)の合数も上昇しています。
このことは、服用している漢方薬がピッタリ適合していることを表しています。

・・・ところが寒さが増した頃、患者さんは下肢の痺れ(しびれ)を伴う腰痛を訴えられました。
寒冷刺激による、新たな適応の現れでしょう。
なぜなら、A証)、B証)は順調に改善しています・・・服薬を怠らない限り、この2証は悪化するはずがないのです。

早速、糸練功にて患部を確認すると・・・

C証) 疎経活血湯 (陰証)

新たな適応の出現でした。
その日から、新処方「疎経活血湯」を服用していただきます。

・・・5ヵ月後
腰痛 : 消失
臀部痛 : 消失

幸いなことに、C証)が発現してから速やかに対応できたため、痺れ・痛みの改善の兆しは早く現れました。

現在も、漢方治療を継続中です。